ホワイトコンサルタントの水上です。
先日、ナゴヤデザインルームという勉強会でセミナー講師として、登壇させていただきました。
テーマは、「定時に帰れる!カタツムリのディレクション方法」。
私が代表を務める、「カタツムリデザイン」が実践している、制作業務を効率よく進める考え方やディンレクション方法をお話させていただきました。
その中で、どんなことをお話させていただいたのか、簡単に要点だけレポートとしてまとめてみました。
はじめに
定時で帰れる秘密。定時で帰れるディレクション方法。みなさんは「プロジェクト管理の方法に何か秘密があるでは..」そう思われると思います。実際によく「どういう仕事の進め方をしているのか?」そんなことを聞かれます。定時で帰れるということは、各プロジェクトの管理方法が自分たちと違う、何か凄い管理ツールを使っている。そう思われるのではないでしょうか。
実はそうではありません。各案件の管理方法自体はおそらく、みなさんの会社とさして大きく違わないと思います。
問題なのは、「スケジュールがスケジュールどおりに進まないこと」にあります。
スケジュール通り進めば、もしくはスケジュールが変更になっても問題にならないよう仕事を進められれば、残業なんてしなくてよくなるわけです。
人間はどうしても甘いスケジュールひきがちです。早くやってあげたい、早く請求したい。色々理由はあると思います。
ではどうしたらスケジュールどおり進むのでしょうか。それは大きく分けて二つの要因に分かれます。
お客さまによる要因
第一部:デザインが初回プレゼンでとおる理由
第二部:無茶ぶりされない、クライアントの質を上げる方法
第三部:信頼関係構築のための心得
社内メンバーによる要因
第四部:プロジェクトメンバーのモチベーションがガンガン上がるマネジメント術
第一部:デザインが初回プレゼンでとおる理由
デザインが通らない、おしていくスケジュール…、結果的に残業が増え家には帰れず、納品前の徹夜はあたりまえ。そんな話をしばしば耳にします。
逆に、うちの会社が定時退社を可能にしている理由として「デザインが初回のプレゼンでとおる」「修正が少ない」ことが、ひとつの要因だと思っています。
一体なぜなのか。
様々な要因があるにせよ、つきつめれば、制作物に対する考え方が違うのかもしれません。
ポイント
- デザインの正解をつくってあげること。
- 「好み」を聞くことがヒアリングではない。
- お客さまのお客さまのために。
- 「イメージ」ではなく「考え方」を共有する。
- 何を求めてられているのかを理解し、応える。
- おまけ1:それでも迷われた場合は…。
- おまけ2:プレゼン時に見積もりは出さない。
第二部:無茶ぶりされない、クライアントの質を上げる方法
わたしの会社ではホワイトな労働環境を維持・向上していくために、様々なルールを設けています。今回はその中でも、質の高いお客さまを集めるためのルールをお話しさせていただきました。
ポイント
- 営業はしない。
- 打合せには行かない。
- 値引き交渉には応じない。
- 無料コンペには参加しない。
- 下請け案件はやらない。
第三部:信頼関係構築のための心得
お客さまからの信頼をえるために。トラブルを防ぐため、トラブルに対応する時間を極力減らすためにも欠かせないのが信頼関係です。誠心誠意対応する。それって具体的にはどんなことでしょう?
ポイント
- 即答する。
- 専門用語は使わない、同じ単語を使う。
- 否定と提案をセットでする。
- 筋を通す・約束を守る。
- とにかくわかりやすく、安心させてあげること。
- おまけ:メールと電話の使い分け。
第4部:プロジェクトメンバーのモチベーションがガンガン上がるマネジメント術
冒頭でもお話したとおりプロジェクト管理において、何か特別なことをしているわけではありません。うちの会社が重要視しているのは、「人材管理」です。
「どうすれば、もっと仕事が効率化されるか。」「どうすれば、もっとレベルが上がるのか。」
これらのことを実践できていくためには、「やりがいを感じながら、楽しく働ける環境づくり」これに尽きます。モチベーションを高く維持することができます。
では、「やりがい」ってなんでしょう?みなさんやりがいを感じる瞬間というものがあるかと思いますが、それらは下記のことに分類されるはずです。
やりがい3原則
- 人から必要とされ、評価されること
- 自分の成長・成果を感じられること
- 未来に希望が持てること
過去記事:社員が仕事にやりがいを感じるために必要な3つのポイント
必要なのはこれらをより実感・共有・支援できる仕組みづくり、そしてさらに背中を押してあげる制度です。
大切なのは、「実感・共有」するだけではダメだということ。確かにそれだけでもモチベーションは上がり、結果的にみんなの成長意欲も向上します。ただ、向上させただけではもったいないですよね?そこからさらに、その「成長意欲」を「成長」に結びつけていくために、支援制度を設けることです。
逆もまたしかりで、ただ「支援制度だけ」設けて、勉強させようと思っても効果は半減してしまいます。このふたつをセットで考える必要があるのです。
非常にシンプルなことですが、たったこれだけのことで、みんなのモチベーション、成長スピードはガンガンあがります。
また、実際の仕事の進め方、指示の出し方ひとつとっても、この「やりがいを感じながら、楽しく働く」という考えに基づいて進めます。
セミナーを終えて
ご参加いただいた方からは、生々しい質問やお悩みも多くお寄せいただき、みなさんの積極的な姿勢に、私自身も刺激を受けました。
貴重なお休みの日にご参加くださり本当にありがとうございました。(中には県外、遠方からお越しくださった方まで…泣)この場を借りて、あらためて御礼申し上げます。
私の考え、お話したことに「斬新なやり方」は特になかったと思います。「考えてみればあたりまえ」のことばかりです。みなさんも、そりゃそうだ、と思われたことが多かったのではないでしょうか。
ただ、この「考えてみる」ということがとても大切です。あたりまえになってしまっていることでも、なぜこうなのか?どうしたらもっとよくなるのか?根本的・本質的な問題はなんなのか?それさえ整理できれば、あとは「行動」するのみです。とにかくやってみる。うまくいかなければ変えてみる。それこそ「Webサイトの改善」と同じですね。
今回のセミナーで何か少しでも得たヒントを、ご自身、自社におきかえて、是非チャレンジしてみてください。
ご参加、ありがとうございました!