ホワイトコンサルタントの水上です。
ブラックな労働環境になってしまう原因のひとつとして、「制作会社の地位が低すぎる」、ということがあげられるとわたしは考えています。
そもそも制作会社は、お客さまの事業、商品売上を倍増させる、販促には欠かせないパートナーであるべき存在。にも関わらず、地位を低く見られてしまうと、お客さんからは早さや安さばかりが求められるようになりがちです。早さや安さにしかストロングポイントがなく、価値を見出せてもらえていないのなら、然るべき状態ですが…。
「うちの会社はそんなことない!だけど確かに早さや安さばかりが求められ…」もしそんな状態だとしたら?早さや安さではなく、本質的な価値(成果)を求め、その対価として適切な費用を投資していただける、そんな質の高いお客さまを集めたいハズです。
わたしの会社ではホワイトな労働環境を維持・向上していくために、様々なルールを設けていますが、今日はその中でも、制作会社の地位を守り、質の高いお客さまを集めるためのルールをお話したいと思います。
1.営業はしない
わたしは起業時から今まで、テレアポ、飛び込み…いわゆる「営業活動」を一切したことがありません。営業マンも雇っていません。唯一の営業ツールはWebサイトであり、Webサイトからのお問い合わせ・ご相談から、お仕事に繋がる場合がほとんどです。単に苦手、ということもありますが(笑)
営業をしない理由は、いたってシンプル。「やらせてください、つくらせてください」そう言った瞬間、立場が下になってしまうからです。本来、お客さまが自分たちではできないことをやってさしあげることで、ビジネスが成立し、同等の立場であるはず。
そもそも、「ホームページをつかって集客しましょう!」と提案する立場の会社が、テレアポしてたのでは、説得力ゼロですしね。
2.打合せには行かない
基本的に打合せには、お客さまにお越しいただいています。「来てもらって当然」と思ってみえるのかどうか、価値観を判断する指標でもあります。偉ぶるつもりは一切ありませんが、わたしたちに何か頼みたいことがあるなら、そちらがお越しいただくのが筋では?って普通に思うんですよね。
逆にわたしは自分が何か頼みたい、相談したい、という場合は必ず自分から訪問しますし。
そういった意味で、必要以上にへりくだる方が多いように思います。結果、「いつでもなんでもやってくれる」都合の良い業者になり下がってしまいがちです。夜中であろうが、元旦であろうが、ひっきりなしに呼び出され、対応に追われるようになります。何度も言いますが、わたしたちは「都合の良い業者」ではなく、お客さまの事業をより成功させるための「パートナー」なハズです。
お客さまに「え!?来てくれないの!?わざわざ行くのはチョット…」そう思われてしまう場合は、あなたの会社に「その価値を見出してもらえていない」か、「さほど真剣に必要としていない」ってことです。前者の場合は、あなたの会社のブランディングを強化する余地がありますね。「会いにきてもらえる会社」にならなければなりません。
制作にあたり、お客さまの会社・現場を見学に行かせていただく場合もありますし、先方の都合によっては訪問打合せももちろんしますが、それはまた別のお話。
打合せに行くか来るか、たったそれだけのことなんですが、とてもこだわっている事のひとつです。
※ホワイトコンサルに関してはわたしから訪問しますのでご安心を(笑)
3.値引き交渉には応じない
われわれのような、制作業務をしていると、お客さまから値引き交渉をもちかけられることがあるでしょう。ですが、わたしの会社では、基本的に一切値引き交渉には応じません。
以前にも書きましたが「価格」というものは「価値」であり、「あなたにその価値はない」と言っていることと同意です。
過去記事:お金をいただくことは悪い事ではない!価格とは価値なのです
往々にして販促物の制作は広告費としてみている方も多いため、費用が安い方が喜んでいただける場合が多いです。ただ、価格で選んでもらった方には、価格で応え続けなければなりません。
金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったもので、価格で選ぶ人は、価格で縁が切れます。
ただ、なぜ値切らてしまったのか、自社の価値が伝わっていなかったのか、どうすれば自社の価値がもっと伝わるのか、それは見直す必要がありますし、そういった改善をし続けることは非常に大切なことです。
4.無料コンペには参加しない
検索エンジンで自分の時間を使って、制作会社を一生懸命探し、緊張しながら問い合わせてきてくださる方がたくさんみえます。そんな状況でコンペに参加する意義はありません。
とれるかどうかもわからない、自分達の力を必要としているのかどうかもわからない人のために時間を使うくらいなら、既存の顧客、目の前の人たちのために時間を使ってさしあげるべきです。
5.下請け案件はやらない
メリットが非常に少ない下請け案件。下請け案件は営業をせずともある程度、定期的な仕事を確保しやすかったりもしますが、その半面、依存すればする程、当然切られた時のリスクは高まる一方ですしね。先日、詳しいお話を書かせていただきましたので、よろしければ合わせてお読みください。
過去記事:下請け案件を中小零細の制作会社が請けてはいけない6つの理由
まとめ
これらのルールが守れない案件については、丁重にお断りさせていただいています。その結果、わたしの会社のお客さまはみなさん素晴らしい方・企業さまばかりです。本当にありがたいことです。
そういえば先日、こんな話がSNSで話題になっていました。
クラウドソーシングで提案し、キャンセルになったデザインが無断で使われている - 沖縄ホームページ制作工房「株式会社wEVA」社長日誌http://webcrafts.hatenablog.com/entry/2014/08/19/223920
マッチングサイト、ランサーズでのトラブル。
本当に酷いお話ですが、それ以前に違法ですね。ランサーズの利用規約違反、デザイナーの知的財産権侵害にあたるようです。ここまでひどいお話は本当に稀な例、と思われる方もみえるかもしれませんが、わたしの身近でも、コンペやプレゼンで提案した企画をそのままパクられた、なんてお話を実際に聞いたりしました。
「制作会社の地位向上」といった観点だけでなく、こういったケースから身を守り、本当に自分たちを必要としてくださる方を見極めるためにも、こういった「しないルール」を導入してみてはいかがでしょうか?